父方の祖母の話し。
祖母のことを好きだった親戚はあまりいないのだけど・・・。
クールな人だったので。
株をして儲けながら、趣味で自室で花嫁衣装を縫う仕事をしていた。
私の七五三の時の衣装も、祖母が花嫁さんが着る和服用の豪華な生地で、縫ってくれたものだった。
私が幼いころ、庭の片隅に祖母は、さくらんぼ、ブルーベリー、キウイなども植えていて、本当に甘くて美味しかった。
フルーツ大好きな私が、もういいというまで食べさせてくれた。
四季折々で花を庭のあちこちに育てていて、「おばあちゃん、このお花は何?」と聞くと、「ミヤコワスレよ」とか、「ペチュニアよ」とか、教えてくれた。
言葉少なげだったけど、たぶん初孫の私のことはとても可愛かったんだと思う。今だからいろいろ分かる事もある。
祖母が育てたり収穫したものは、今思うと、どれも素晴らしく美しかった。
初めてカモミールティーを入れてくれたのも祖母だった。祖母が育てて乾燥させた可愛いお花。
私は今、縫い物をしながらカモミールティーを飲み、祖母を思い出している。
祖母もきっと、あの穏やかな日々がずっと続いてほしかったに違いない・・・。
愛犬を看取ったのは祖母だった。
ずっと私は祖母のことを忘れずに、好きでいようと思う。